「芳醇ぶどう山椒スパイスミックス」開発秘話

こんにちは。
前回に引き続き3回生レシピ開発班です!
 
今回は藤岡ゼミオリジナルの

「芳醇ぶどう山椒スパイスミックス」

の開発秘話をお届けします。
さっそくですが…
山椒は、日本では当たり前にうなぎやちりめんなど和食料理に取り入れられていますよね。しかし、山椒はもっと多様な食材と組み合わせて楽しむ事ができるのです!
中でも今回私たちが取り扱わせて頂いた「ぶどう山椒」は、香りの豊かさや鮮やかな色味から海外の有名パティシエに高評価を得て、なんとスイーツにも使用されているのです!

私たちは、そんな可能性を秘めた「ぶどう山椒」を使用して、スパイスミックスを開発することになりました。どうすれば多くの人に楽しんでもらえるスパイスミックスになるだろうか、手軽に食卓や調味料コーナーに置いてもらえるのか…葛藤しながらの開発がスタートしました。


〜スパイスとしての「さんしょう」〜


スパイスミックス開発が始まったのは9月下旬ごろ。

前回の山椒カレーは、商品のコンセプト設計にスムーズに入ることができましたが、今回はスパイスについての勉強からスタート。
今回もスパイスのエキスパート、マンドリルカレーさんにお世話になりました!

日本では、スパイスに対してあまり馴染みがなく、単に「辛さを足すもの」と捉えられがちですが、実際は幅広いジャンルの料理に取り入れて楽しめるものなのです!
私たちも最初は、スパイスというと辛味のイメージが強く辛味成分のみで構成されていると思っていたのですが、辛味に加えて色味、香り、臭み消しの4つの基本作用によって分類されていることを知りました。
それぞれのスパイスによって特徴は異なり、どんな料理と相性が良いのか、お肉にしても鶏肉なのか豚肉なのか、焼くのか煮るのか蒸すのかによってそのスパイスの活かされ方は大きく変わるのです。
ところで、「さんしょう」はというと、辛味作用(辛さ)と賦香作用(香り)が強く、脱臭作用(臭み消し)の特徴も持ち合わせているという非常にわかりやすいスパイスでした。
スパイスの適合パターンにおいても、日本や中国を中心とした東洋料理に使用されるのみ。素材の可能性も動物性素材と植物性素材の両方にマッチするような使いやすいスパイスであることが理解できました。


〜いざ、開発スタート〜


スパイスとしての「さんしょう」を最大限活かすにはどんな使い道が適しているのか。
私たちゼミ生が伝えたいぶどう山椒の魅力を再度確認しながら、スパイスの調合パターンをいくつか模索し始めました。
早速マンドリルカレーさんに訪問してスパイス調合を実践!
見たことも聞いたこともないスパイスを、その場で砕いて粉末状にしてもらい、スパイスの4つの基本作用である辛味作用(辛さ)、賦香作用(香り)、着色(色味)、脱臭(臭み消し)を自分たちの舌で一つ一つ確かめて行きました。
試作してみると想像していたよりもスパイスは香りが強く、一つ一つの存在感が大きかったので、ぶどう山椒と組み合わせた時に爆発的なものができてしまうのではないかと不安に思っていました…
 
しかし、逆に他のスパイスたちが山椒の爽やかな香りを引き出してくれたり、山椒独自の辛味や痺れを和らげてくれるような働きをしてくれたのです。
スパイスはそれぞれ単体でも素晴らしい調味料であるのはもちろん、他のスパイスと組み合わせることで、より一層魅力的な味や香りが引き出されるものなのだと驚きました。
私たちが想像していた以上に、スパイスは奥深いものでした。


〜10月開催のマルシェにて〜


10月中旬
私たちは学内で実施した龍谷マルシェにて、開発した「ぶとう山椒スパイスミックス辣(らつ)・雅(みやび)」のテスト販売を行いました。
予約時から人気が高く、当日販売も含めて売り切ることができました。販売後、マルシェにて購入いただいた方にアンケートを実施したのですが、私たちが思っていた以上にスパイスとしての「さんしょう」は需要が高いことがわかりました。実際にあった意見としては、「山椒のスパイスミックスは珍しい」「料理のアクセントに使用したい」「手軽に味の印象を変えることができる」との意見があり、回答者の7割が購入理由にカレーだけでなく他の料理にも使えそうと思ったからと回答されていました。つまり、顧客が求めているのはそれぞれのスパイスの味や香りよりも、幅広い用途でした。
マルシェ当日の販売スペースにおいても、「これなに?どうやって使うのがいいの?」と聞いて購入してくださった方もいました。私たちは、このテスト販売での顧客の反応をもとに、購入後の用途をもっと明確にして、より実用的なスパイスミックスとして売り出すことにしました。

また、「山椒が好き」「初めて山椒を食べたが意外と美味しい!」と言う意見もあり、このスパイスミックスを通して、ぶどう山椒の魅力をさらに広めることができる可能性も感じました。


〜神戸大丸での販売〜


11月中旬ごろ、マンドリルカレーさんが参加されていた神戸大丸の「神戸市」というイベントにて、私たちの開発した「芳醇ぶどう山椒スパイスミックス」の販売も合わせて行っていただきました。
開発した商品をマルシェ以外の市場で販売するのは、私たちにとってこれが初めての経験だったので、数多くの商品が並ぶ中で目に止めてもらえるのか、百貨店で売れるのか、そして何より山椒の魅力を理解してもらえるのか、不安な気持ちでいっぱいでした。しかし、マンドリルカレーさんのご協力もあって、スパイスを手に取って下さる方もいらっしゃったようで、とても嬉しかったです!
実際に私たちも現地に足を運び店頭に並べられたスパイスミックスを見学してきました!マンドリルカレーの方が、百貨店での顧客層を考えて、スペシャルなパッキング包装をして下さっていました。商品としてお客様のもとへ届けるための見せ方についても学ばせて頂く貴重な機会となりました。

マンドリルカレーの皆様、本当にありがとうございました。


〜各スパイスミックス開発秘話〜


スパイスは組み合わせも配合も無限にあって、スパイスに関して知識ゼロの私たちにとってはゴールの見えない真っ暗な道を進むような感覚でした。
それでもわからないまま開発を進めることはできません。少しずつスパイスの知識を蓄積して、自分たちにしかできないスパイスミックス開発に挑みました。


そして、最終的に3つのスパイスミックスを開発することができました!
ここから一つずつご紹介していきますね♪

まずは、
ぶどう山椒・ジンジャー・唐辛子・うんしゅうみかん(陳皮)をミックスした

「辣(ラツ)」

↑試作初期のサンプル
これは4種類スパイスミックスの候補を出し、ゼミ生全員で試食を行なった際にトリッキーなものとして入れていました。山椒に唐辛子というとスパイスの辛味部分が強調され、かなり刺激的なスパイスになると思いながら作ったのですが、意外にもゼミ生からはこれが一番人気でした!

山椒と唐辛子の辛味成分をみかんの香りが和らげてくれて、ジンジャーが身体を芯から温めてくれる。そんなバランスの良いスパイスミックスとなりました!
主に、カレー・うどん・唐揚げ・ピザなどに七味唐辛子のような感覚でお使いいただけます。辛味だけでなく、山椒のさっぱりとした風味も感じられる逸品です!

お次は
ぶどう山椒・シナモン・カルダモンをミックスした

「雅(ミヤビ)」


開発初期、スパイスミックスというと食べるシーンでの利用しか思い浮かびませんでしたが、一番手軽で誰もがすぐに実践できる「飲み物用」を作ってみるのも良いのではないかという意見が出ました。
チャイやホットワインにシナモン・カルダモンを入れるのと同時に、ぶどう山椒も組み込んだら、斬新で魅力的なスパイスミックスができるのではないかということで、「雅」が誕生したのです。 

雅は制作過程で一番苦労したことが味と見た目のバランス。単体でのシナモンは香りが強く、山椒と組み合わせたとき主役の山椒をかき消してしまいました。かといって、主役の山椒の配合を多くしてしまうと痺れが強く残ってしまい、飲み物に使用してもらうスパイスミックスとしては好ましくない状態でした。細かい配合を考え直して絶妙に山椒が主役になるような味を生み出したのですが、見た目がほぼ茶色のシナモン。山椒の綺麗な緑色が消されてしまいました。どうすれば山椒の色味も出しつつ味まで再現できるのか、いまもレシピ開発の中で大きな課題となっています。
チョコレート・クッキー・ココア・ホットワイン・チャイなど甘いもの、飲み物のアクセントに使っていただけます。甘さと辛さの絶妙なハーモニーをご賞味ください♪


そして3つ目が
ぶどう山椒・ガーリック・オールスパイスを含んだ

「紬(ツムギ)」


これは、10月開催のマルシェにて辣や雅を購入いただいた方に実施したアンケートで「下味用のスパイスミックスがあれば嬉しい」というリクエストを頂いたのを元に開発した第3のスパイスミックスです。

アンケートの対象者に30〜40代の主婦層が多かったので、日々忙しい主婦の方々の助けになればという思いで商品化しました。お肉やお魚の臭み消し効果もあるガーリックは食欲をそそり、和食から洋食まで幅広く使用可能です。オールスパイスというのは、シナモン・クローブ・ナツメグの香りを併せ持つ万能スパイスです。お肉やお魚の素材本来の旨味を引き立ててくれます。また、ぶどう山椒の痺れを少しマイルドにしてくれる役割も果たしています。
最終的な紬の配合に至るまで、さまざまな組み合わせを試作し、お肉にかけて・焼いて・食べてを繰り返しました。
素材の旨みを引き出してくれて、且つぶどう山椒の風味を感じられるような下味用スパイスミックスに仕上がりました♪

〜名称誕生秘話〜


ここからは、スパイスミックス3種の名前の由来をご紹介します!
まず、3種の名前に共通させたかった事が
「一目見て何となくその商品の味や雰囲気が伝わる」ということです。そして、お洒落で和な感じを出したかったので、漢字一文字で表現することに決めました。
1つ目の「辣(らつ)」の由来ですが、
辣は、3種の中でもっとも刺激的なスパイスだという事を一文字で伝えようと思いました。そして、「ぴりっと辛い」という意味を持つ「辣」という漢字を選びました。
2つ目の「雅(みやび)」は、
シナモンやカルダモンというスパイスが独特の香り高さや甘さを持っている事から、上品で優雅なイメージを伝えようと思いました。そして、優雅の雅をとって、「雅」と名付けました。

3つ目の「紬(つむぎ)」は、
下味用スパイスなので、「素材の良さを引き出す」というような意味を持った漢字にしたいと考えていました。
そこで、繭から糸を引き出す・つなぎ合わせるという意味を持つ「紬」にしました。また、「スパイスミックスに込めた私たちの想いを紡ぐ」という意味も重ねています。

スパイスミックス3種全て、試作・試食を繰り返し、試行錯誤の結果誕生しました。
そんな想いを込めた「芳醇ぶどう山椒スパイス 辣・雅・紬」。
ぜひ一度ご家庭でお試しください!

大阪の雑貨ショップ「コトモノミチ」さんで近日取り扱って頂く予定です♪
詳細決まり次第お知らせいたします!

龍谷大学 経営学部 藤岡ゼミ

ゼミの活動状況を随時更新していきます! 現在ぶどう山椒の発祥地有田川町と”ぶどう山椒の発祥地を未来へつなぐプロジェクト”の活動中!!

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